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ギャラリー&インテリア 美卯 〜つれづれに〜

歴史ドラマがもっと面白くなる本

[ 2020-11-01 00:30 ]

深まりゆく秋の夜長に読書は如何でしょうか?美卯オーナーです。

今一番お勧めしたい一冊は 磯田道史著『日本史の探偵帳』。

どんな歴史の解説書よりわかりやすく日本史と現代日本社会構造のルーツを解き明かしてくれます。

今まで戦国時代や江戸時代の歴史ドキュメンタリーやドラマを見ていても背景が不明で、結果なぜそういう結末になるかという理由も不明、無理矢理そういうものだという根拠のない理解でおわらせて腑に落ちないことも多々ありました。

この本でまず衝撃だったのは現代に続く日本型組織のルーツが私の住む濃尾平野の武士たちから生まれたということ。
戦国時代に詳しい方はご存じのように、乱世を終わらせた信長、秀吉、家康は濃尾平野で生まれ育まれています。
ということは・・・「江戸時代は濃尾平野で創られた」(作者談)!!!。

かの司馬遼太郎先生もそこに注目され次の著作として『濃尾参州記』を構想されていたそうですが、未完のまま急逝されたのは尾張人としてはあまりにも残念至極。

江戸時代を形づくり、その後のご維新、明治大正昭和から現代まで日本型組織の基本としての「濃尾システム」の存在に尾張出身としては思わず釘付けになりました。

また、なぜ明治維新が地方の下級武士たちによって成し遂げられたかの社会組織的要因や、戦前エリートの劣化から終戦に至る流れもなるほどと目から鱗が落ちるほど読み応え十分でした。

これらは磯田先生が各地の数多ある古文書を長年ご自身で読んでここまで研究されたもので、根拠としてのデーターの質と量が半端ありません。この古文書を元とした地道な研究は日本史のリアルを知らしめ、また現代社会を読み説く大切なヒントとなりえると感じました。

まぁ難しいことはさておき、この本のおかげで私がこれから時代劇を見る楽しみが倍増したことだけは間違いありません☺

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