高山・日下部民藝館1
[ 2017-10-02 16:18 ]
10月になりました。一雨ごとに秋が深まっていきますね、美卯オーナーです。今夏の日本民藝夏期学校・高山会場のメイン会場の一つとなった日下部民藝館をご紹介します。
高山市中心・下二之町にある明治12年(1879年)完成の町屋です。
高山は幕府直轄の天領となったことから商業が盛んになり町人の街として発達しました。
日下部民藝館は日下部家の邸宅であり、江戸時代は高山代官所の御用商人を務め、両替屋とか金融を生業とした家系です。
高山は木造建築の宿命でしょうか?度々大火に襲われており、現在の邸宅も明治8年に旧宅が消失した後、場所を移して現在の地に建てられました。(9代目当主の時代)
現ご当主であり、日下部民藝館館長の日下部勝氏の説明によると、名工と呼ばれた棟梁・川尻治佑により江戸時代の建築様式そのままのにこのお屋敷は建てられたそうですが、川尻棟梁の建築はとても男性的で豪壮なディテールであり、明取りの窓や梁と束柱の木組みなどにその特徴を見ることができます。
比較として日下部邸のすぐ隣にある吉島家住宅を見ると面白いそうです。
吉島家住宅は日下部邸と同じ大火で焼けた後現在地に移転再建されましたが、明治38年再び火災で焼け、明治40年名工・西田伊三郎棟梁にて建てられました。生業は造り酒屋だったので軒先に杉玉が飾られている写真をご覧になった方は多いと思います。
内装はとても繊細な空間であり、日下部邸を剛とするなら柔と言えるでしょう。
実際に住むことを考えなければ大胆な日下部邸のディテールが私は好きですが・・・。
高山を訪れたら、是非この2邸をご覧になって下さい。飛騨の匠の魂を感じる空間です☺
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